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8月21日の5時16分に、東京と横浜で大地震が起こり、鎌倉にも津波が押し寄せる。
そんな予言があるらしい、と前日に聞き、いやいや胡散臭いな〜と思いながらも、もし本当に津波が来たらどうしよう…と内心ちょっと恐れていた。
鎌倉に引っ越してから、津波の可能性は常に意識してきた。
枕元にはメガネと懐中電灯を用意し、玄関には防災グッズも置いている。
もし津波が来そうになったら避難する道も考えている。
海の近くに住むということは、そういった不安と隣り合わせなのだ。
とはいえ、怪しい予言なんて当たるはずない。そう思って眠りについたものの、夜中に蚊に刺されて目が覚めてしまい、そのまま5時を迎えた。
ウトウトしはじめた頃、隣の家からアラームが聞こえた。時計を見ると、ちょうど5時16分!お隣さんもあの予言を見ていたのか…?!
しかし、しばらく経っても、地震は起きない。
やっぱり予言は外れた。よかった、よかった。
横を見ると、夫がスヤスヤと眠っている。
当たり前の日常に感謝しつつ、私も眠りについた。
そういえば最近、「日常」に感謝することが増えた。
というのも、交通事故で妻と子どもを亡くした男性の話などを見聞きして、それまでの日常が一瞬にして奪われてしまったことに心を痛めていたのだ。
誰もが、明日も当たり前のように日常が来ると思っている。
でも、それは特別なことなのだと、改めて痛感した。
今回の予言は心配して損した類だが、日常に感謝する機会になり、防災を見つめる機会にもなったと思えば、心が軽くなるのであった。